煌めきの種 煌めきの種|第1章 §5:光の三日月フレームの向こう ~陽葵~ 🍃 都市の色と自分の色陽葵の世界は、光の質感で呼吸していた。街を歩けば、信号の青と赤、ショーウィンドウの反射光、広告のきらめき――人工の光は目に映るより早く、体の奥のリズムを揺らす。効率的に並んだ色と... 2025.09.21 煌めきの種風と呼吸とわたし
煌めきの種 煌めきの種|第1章 §4:匂いの奥に眠る風景 ~蒼空~ 🍃 香りを失くした空白蒼空にとって、香りは世界の地図だった。朝のパンの焦げた香ばしさが「家」の位置を教え、雨上がりの土の匂いが季節の境界線を引いていた。けれど、ある日を境に、その地図は色あせ、輪郭を失... 2025.09.14 煌めきの種風と呼吸とわたし
煌めきの種 煌めきの種|第1章 §3:触れあうことで、わたしに触れる ~柚葉~ 🍃 触れすぎた、わたしの手柚葉の手は、ふれあうたびに相手の“心の波”を拾ってしまう。見つめ合わずとも、ほんの一瞬のふれあいに、震えや湿度、呼吸の間から、隠された感情が手のひらに届く。最初は、それを“贈... 2025.09.07 煌めきの種風と呼吸とわたし