煌めきの種 煌めきの種|第1章 §5:光の三日月フレームの向こう ~陽葵~ 🍃 都市の色と自分の色陽葵の世界は、光の質感で呼吸していた。街を歩けば、信号の青と赤、ショーウィンドウの反射光、広告のきらめき――人工の光は目に映るより早く、体の奥のリズムを揺らす。効率的に並んだ色と... 2025.09.21 煌めきの種風と呼吸とわたし
煌めきの種 煌めきの種|第1章 §4:匂いの奥に眠る風景 ~蒼空~ 🍃 香りを失くした空白蒼空にとって、香りは世界の地図だった。朝のパンの焦げた香ばしさが「家」の位置を教え、雨上がりの土の匂いが季節の境界線を引いていた。けれど、ある日を境に、その地図は色あせ、輪郭を失... 2025.09.14 煌めきの種風と呼吸とわたし
煌めきの種 煌めきの種|第1章 §3:触れあうことで、わたしに触れる ~柚葉~ 🍃 触れすぎた、わたしの手柚葉の手は、ふれあうたびに相手の“心の波”を拾ってしまう。見つめ合わずとも、ほんの一瞬のふれあいに、震えや湿度、呼吸の間から、隠された感情が手のひらに届く。最初は、それを“贈... 2025.09.07 煌めきの種風と呼吸とわたし
煌めきの種 煌めきの種|第1章 §2:耳を閉じて、響き合う ~律~ 🍃 音に満ちた孤独律にとって世界は、音で満ちすぎていた。遠くで軋む電車のブレーキ音は、金属をこすり合わせたように長く尾を引き、駅構内の人工的なアナウンスは乾いた響きで空気を震わせた。誰かが発した何気な... 2025.08.31 煌めきの種風と呼吸とわたし
煌めきの種 煌めきの種|第1章 §1:名前のない味との出会い ~マロン~ 🍃 記憶の中のあたたかい味マロンはゆっくりと目を閉じると、懐かしい味が舌の奥にふわりと舞い降りた。祖母のキッチン、家族が囲んだ夕暮れの食卓。湯気の向こうから聞こえる笑い声にまぎれて、過去の味たちがやさ... 2025.08.24 煌めきの種風と呼吸とわたし
煌めきの種 煌めきの種|第0章:大地の記憶と、まだ見ぬ渦の中心 🍃 この物語について『煌めきの種』は、tomarigiの森を舞台に、 五人の主人公たちが、それぞれの「±0のわたし」へと還っていく旅の物語です。 第0章から静かに森の呼吸が始まり、やがて感覚の物語がひ... 2025.06.15 煌めきの種風と呼吸とわたし
風と呼吸とわたし tomarigiの煌めく種を植えました🍃 はじめまして。この場所に訪れてくださって、ありがとうございます。日々の暮らしのなかで、ふと足をとめたくなるとき。誰かの声やペースに合わせる日々に、気づけば呼吸が浅くなっているとき。この場所が、そんなと... 2025.06.01 風と呼吸とわたし